1.オーストラリアの経済市場の動きは︖
オーストラリア新年度の第1 四半期の経済市場は、さまざまな業界が新型コロナウイルスのデルタ株の影響を大きく受けています。
特に、シドニーは延長を重ねたロックダウンの期間が長引き、外出規制などが続いている状況。
そんな中、オーストラリアの不動産市場は、どのような動きを見せたのでしょうか︖
2.マンション価格とハウス価格について
2021 年の第1 四半期のオーストラリア国内のマンション価格は、初め世界的な景気後退の影響を受けて低迷していました。
ですが、次第に国内の住宅価格の上昇に再び追いつきつつあり、現在は戸建て住宅の価格にも迫っています。
また、オーストラリアの主要都市のハウス価格の上昇率は、毎月のユニット価格よりも約1.1%早い上昇率を見せました。
ただ、コアロジック社(CoreLogic)の分析によると、8 月までにその差は平均で0.7%まで減速しています。
3.ハウスとユニットの差と将来的見通し
コアロジック社(CoreLogic)の調査から、オーストラリアのハウスとユニットの格差は縮小してきていますが、その大きな理由は、住宅密集地域のユニットよりもハウスの方が手頃な価格になりつつあるためでしょう。
現在シドニーの世帯は住宅を購入するために、年間総世帯収入の11.3 倍が必要であるのに対し、ユニットは7.7 倍となっています。
長期的に見れば、パンデミック以降に海外からの入国者がオーストラリアに戻ってくることで、特に都心部の賃貸需要にプラスの影響が出るはずです。
そのことから、オーストラリアの不動産市場への投資は再び活発化することが期待されます。
4.各都市の市場
各都市の不動産市場の賑わいについて、ドメインのデータによるとシドニーの住宅の検索数は、1 年前の2020 年と比べて25%も急増しています。
シドニーCBD、ポッツポイント、クージー、ボンダイビーチなどが今も最も人気のあるエリアです。
また、シドニー以外の首都では、その地域差が微妙に縮まっています。
例えば、メルボルンでは5 月の住宅価格が1.3%上昇しましたが、8 月には0.9%へと落ち着きました。
そのため、条件の一部が合わなくても購入時期を見極めて踏み切ることも重要です。
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