オーストラリアは今一人当たりの国民所得(GDP)が67,000ドル(日本円で630 万円相当)程度の国。
ほとんどの先進国は開発計画よりメンテナンス計画が多いのですが、オーストラリアでは経済が安定した国の中でも珍しく多くの開発計画が国内全域で予定されています。
そんなオーストラリアの全州の大都市にはメジャーなインフラ産業があります。
今回「オリオン・スター・プロパティ」が、オーストラリアの重要なインフラである高速道路を含む「オーストラリアの主要なインフラ計画」について解説︕
オーストラリア不動産の専門家が、今後数年にわたるオーストラリアのインフラの拡大について紐解きます。
今回は「オーストラリアの主要な交通開発計画」について、年代ごとに何が予定されているのか、何が進行しているのか、その影響でオーストラリアの不動産物件はどうなるのかを、一つ一つご紹介します。
オーストラリアで工事がすでに始まっている・開発計画が発表されている年とその内容
オーストラリアで工事がすでに始まっている・計画が発表されている主な交通開発計画は、以下の通りです。
2023 年のオーストラリアの交通開発計画
今急速に成長しているパースの北東部とCBD パースウォーターをつなぐ「Perth Metronet」の交通開発計画があります。
パースはオーストラリアで最も急速に人口が増加しているエリアでありながら、まだ電車メトロの路線がありません。
同交通開発計画は、単純な路線開通にとどまらず、住民がどこで働くのかどこに住むのか、新たな選択肢を増やす重要なもの。
これによって住民の生活はより便利になり、パースの該当エリア周辺の家賃も上昇すると考えられます。
2024 年のオーストラリアの交通開発計画
今あるシドニー・ハーバー・トンネルのようなコンセプトの「Brisbane Cross River Rail」という交通開発計画があります。
これは、空港の拡張によりブリスベン空港からシティへのアクセスの向上と他エリアからシティへの移動時間の短縮を目的としており、計画が進められています。
また、「Sydney Metro City & Southwest」の交通開発計画もあります。
シドニー・メトロは今「オリオン・スター・プロパティ」のオフィスがあるチャッツウッドからタラワンまでの間を運行していますが、そのチャッツウッドからの路線が、バンクスタウンまで延長されることが検討されており、実現すれば、路線のエリアを一度に移動することができるようになり、所要時間も今より短縮されることになるでしょう。
さらに、キャンベラ・ライト・レールの路線を延長する「Canberra Light Rail Stage 2」も。
現在キャンベラ北部のガンガーリンからシティまで運行している路線を、シティから10 分ほど下ったところにあるゴードン・バレーまで延長することが検討されています。
2025 年のオーストラリアの交通開発計画
ブリスベン・クロス・リバー・レイルと、シドニー・ハーバー・トンネルのコンセプトと似た、「Melbourne Metro Tunnel」という交通開発計画があります。
メルボルンのシティエリアは狭く、交通渋滞のせいで他エリアからシティへのアクセスが良くないのが現状です。
そのため、現在も道路拡張工事が進められている上で、このトンネルにより交通渋滞を軽減することが目的です。
交通の便が良くなることで住宅価格も上昇すると考えられます。
2026 年のオーストラリアの交通開発計画
シドニーの西郊外にバジェリーズ・クリークというエリアに、新空港「Western Sydney Airport」の開港が確定しています。
2026 年に一次開港が予定され、シティに近いKingsford Smith 空港から多くの路線が移転する予定です。
まずは国内線から運行され、国際線まで拡張されるとのことで、非常に大きなインフラ産業となるでしょう。
それに伴い、新空港周辺地域も発展することが予測され、シドニーのメトロもシティから空港まで増線される予定です。
こうした状況から現在も時価が急上昇している新空港エリアは、今後もまだまだ上がるインフラ産業や交通開発の恩恵を受けられることになるでしょう。
2030 年のオーストラリアの交通開発計画
「Brisbane to Melbourne Inland Rail」という交通開発計画は、ウーロンゴン、シドニー、セントラル・コーストを経てニューカッスルまで予算が編成されています。
前述の路線が先に開通し、メルボルンからシドニーを経由してブリスベンを結ぶ路線が開通するのが、2030 年頃を目標。
このように、高速電車が大都市同士を連結することでオーストラリアに大きな影響があると思われます。
シドニーのメトロは無人列車なので時刻表がなく、電車が運行される予定です。
「Sydney Metro West Stage4」の交通開発計画では、最後の路線としてパラマタからオリンピック・パークを過ぎてシティへと続く路線が新設されます。
次に、ハーストヴィルからキャンプシーを経てマッコーリー・パークまで接続される予定です。
これは、東京でいうと東京全域を循環する山手線のようなもの。
ここに紹介した交通開発計画はどれも、すべての州に非常に大きな影響を与えることになるでしょう。
インフラが完成することで今とは違う産業が発展することにもなり、移動時間が短縮されて国内に多くの変化がもたらされると考えられます。
海外からオーストラリアの不動産投資に興味を持たれている方も多くいますが、今はオーストラリア全域で交通開発計画が非常に活発に行われているので、投資を考える時、最も大きなメリットの一つとして検討して良いかと思います。
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