オーストラリア4 大銀行は、2022 年も引き続き住宅価格が上昇していくと発表しています。
対して来年2023 年のオーストラリアの住宅価格は下落傾向になり、金利引き上げによる物件購入の動きが鈍化するとの見通しです。
住宅ローンの金利と物件購入の需要を詳しく見ていきましょう。
1.住宅ローンの金利について
この2022 年も続く見通しであるオーストラリア住宅価格上昇の原因は、現在の低金利(2%以下の住宅ローン)にあり、ゼロ金利に近いオーストラリア歴代最低値基準金利の継続が、住宅価格上昇の主な原因となっているとのこと。
そのため、豪州中央銀行(RBA)の基準金利が引き上げられるまでは続くと予想されています。
では、そのRBA の基準金利引き上げ時期はいつ頃になるのでしょうか? これはオーストラリア国内のインフレ率が目標範囲(2~3%)に達する時期とみられており、2022 年のインフレ上昇率の見通しが2.09%とされていることから、金利の引き上げは2023 年頃または2024年になるとの見方が強まっています。
また、興味深いことに例年よりもパンデミック期間中のほうが住宅ローンの金額を多く返済しているとのこと。
オーストラリア金融機関(Australian PrudentialRegulation Authority: APRA)によると、この2年間で、オーストラリア国内での住宅ローンの返済額は総額500 億ドルと、APRA がデータを収集した2008 年以来、最も高い返済額を記録しました。
1 世帯当たりに換算すると平均2 万ドル以上を返済していることになり、この記録的な住宅ローン繰越し返済により、多くの家庭が住宅ローン返済完了の日程が4 年前倒しされることになりそうです。
ジョシュ・フライデンバーグ連邦財務大臣曰く、オーストラリア国民の多くが住宅ローンを早く返済できるようになったのは、上記の記録的な低金利と、連邦政府による支援、個人の貯蓄額の大幅増加のおかげとのこと。
このようなローン返済値は、今後の金利上昇においても緩衝装置となり、国民の貯蓄の一部が家庭内支出の増加につながると期待されています。
2.物件購入の需要について
昨年は初回物件購入者による物件購入が急増し、今年はその初回物件購入の対象者は減少する見通し。
そのため、オーストラリア政府の統計資料では初回物件購入者の新規住宅ローン事例も11%減少する見込みとされています。
一方、オーストラリア不動産への投資家による物件購入は増加が予想され、オーストラリア不動産市場全体は活発になると期待されています。
パンデミックの影響でシドニーやメルボルンなど大都市のロックダウン長期化が引き金となり、大都市における物件価値上昇率(24.6%)よりも地方都市(30.4%)におけるマンション、アパート、ユニット物件の価値上昇率の方が高くなる現象が起きています。
この地方都市の不動産購入に対する需要が著しく増加している傾向は、今年も上昇を続けると予想されます。
また、パンデミックによるライフスタイルの変化により、QLD州ブリスベンの不動産需要が絶えず増加していると分析されています。
これは、シドニーやメルボルンなどの大都市を離れた国民が転入して人口も増えているためで、ブリスベンを含む地方都市の物件購入に対する強い需要は今後も続く見通しです。
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