今回は不動産投資と株式や債券、預貯金など投資における流動性についてお話いたします。
流動性とは如何に迅速に資金化、現金化できるかという尺度です。
現金化できる時間が短いほど流動性は高く、現金化できる時間が長いほど流動性は低いと言えます。
値動きの激しい上場株式などはハイリスク、ハイリターンと言われますが、すぐに売却できるということから流動性が高い投資商品です。
上場株式の場合、主要都市に「証券取引所」という市場が存在し、毎日、数多くの投資家が参加し、株式が取引され、値段が付けられております。
したがって株式を売却する場合、現在、その株式がいくらで取引されているかということを知ることができ、その取引価格に近い値段で売却し、換金化することが可能です。
ただし、上場株式のなかでも発行株式数そのものが少ない銘柄や、市場で人気のない銘柄は取引数が少ない為、発行済み株式数が多く、毎日たくさんの取引がされている銘柄に比べ、取引価格が不安定となり、一般的にリスクが高いといえるでしょう。
上場株式のようにマーケットが存在し、取引の参加者が多い投資商品は流動性が高いといえるでしょう。
不動産投資の場合はどうでしょうか。
現状では不動産を売却、換金したい場合、不動産会社に依頼し、不動産会社が購入者を探してくるという仕組みが一般的となっております。
不動産の情報は、不動産会社の店頭や営業マン、インターネット、新聞広告などを通じて市場に流通します。
不動産を売却して現金化する場合、いくらで売却できるかということが重要になります。
上場株式などの場合はマーケットを通じて現在の取引価格を知ることが可能であり、かつ、その価格で換金することが可能となります。
近隣の取引事例などを参考にして、おおよその換金価格を知ることができますが、不動産は同じものが2つとなく非常に個別性が強いことや、相対取引であり、売主、買主の個別の事情が取引価格を左右します。
このように不動産は流動性が低い投資商品といえるでしょう。
したがって、すぐに収益を求めて、現金化するというような流動性を重視した投資には適さないといえます。
不動産投資はあくまで長期的な投資スタンスをもつことが最も重要なポイントです。
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