キャッシュ・バイヤーであれば、銀行からの住宅ローンを気にすることなく住宅を購入できますが、ほとんどの人が金融機関からモーゲージを組むことになるかと思います。
そこで今月号では、銀行の「PostcodeRestriction」についてお話しします。
PostcodeRestriction とは、銀行が融資の制限を掛けている地域で、銀行ごとにその対象エリアは異なります。
まず、「PostcodeRestriction」(銀行が融資の制限を掛けている地域)とは何かを説明します。銀行は各社独自に、既に担保としている物件の数、マーケットの状況や価格、政府の施策なども考慮して不動産の大まかな地域別評価を定期的に改訂しています。
不動産ローンの貸し付けを行う時、その物件価値を外部の鑑定機関に依頼して、鑑定評価額の何パーセントまでを不動産購入者に貸し付けできるかという判断をします。
同じ物件であっても、銀行によって鑑定評価はさまざまで、その地域や住所に対する各銀行の評価によっても変わってきます。
ただし、物件価格が銀行側の融資枠を超えた場合は、審査基準が変わる可能性があります。
4 大銀行の1 つであるNAB の最新の評価書によれば、不動産の価値が最も上がり得るシドニーCBD(PostCode:2000)やチャッツウッド(PostCode:2067)であっても、評価額の80 パーセントまでの融資エリアとあります(2018年8 月時点)。
NAB の場合、ほとんどのシドニー市内のサバーブが80 パーセントまでの融資枠で、クイーンズランド州に至っては70パーセントまでの融資と設定されているエリアも多くあります。
そのため、これら該当するサバーブ全てが、「Risk」「HighRisk」「RiskbyArea」という訳ではありませんし、そのような業界用語も存在しません。
また、NAB のようにPostCode によって融資の際に条件が付けられることもありますが、銀行によってその評価基準は異なります。
「リスク」という言葉は、不動産購入を考えている人にとって、購買心理を覆すほどのネガティブな響きがあります。
しかし、リスクはどんな場合にだって存在します。
不動産購入に当たっても、幾つもリスクが想定されますが、何よりも大事なことは、リスクヘッジです。
不動産購入にとって最も適したリスクヘッジとは、「分散」すること。
同じ不動産でも、同じ地域に複数購入しない、不動産と連動する資産運用には投資をしないなどが基本原則となります。
しかしオーストラリアでの不動産購入は、他国に比べ、インフレヘッジの対策として最適です。
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