1.ロックダウンが不動産市場に与える影響
オーストラリアの人口の半分がロックダウンを経験したとされる現在、新型コロナウイルスの感染拡大の懸念から、オーストラリア国内の不動産市場にも影響が出ています。
全国的に不動産業者がオーストラリア国内物件の売却に慎重な姿勢を見せ、シドニーでは今回のロックダウンが長期化しているため、来たる重要な春の不動産販売シーズンも遅れそうな見通し。
「Realestate.com.au」の経済調査チームによると、NSW州、VIC 州、SA 州で実施された今回のロックダウンそのものは、オーストラリアの冬の不動産市場に最小限の影響しか与えていないとのこと。
次に来る春の不動産販売シーズンは遅れるものの、それを越えたら今年の夏のクリスマスや新年には、通年のオーストラリア不動産市場より活発になるだろうとの見解を示しています。
2.シドニーのロックダウンにより不動産市場は下落する︖
これまでオーストラリアで実施されたロックダウンは、国内の不動産市場にほとんど影響を与えていませんでした。
しかし、VIC 州とSA 州のロックダウンが予定よりも延長されたことは、今後に影響すると予想しています。
オーストラリアの2 大不動産オークション市場であるシドニーとメルボルンでは、プライベートセールと対面式のオークションのみ再開されています。
一方、ブリスベンは、不動産市場の競争が非常に激しくなりました。
2032 年のオリンピック開催地として発表されたことで、ブリスベンの不動産はさらに需要が高まると予測しています一方、ブリスベンは、不動産市場の競争が非常に激しくなりました。
2032 年のオリンピック開催地として発表されたことで、ブリスベンの不動産はさらに需要が高まると予測しています。
3.シドニーの春の不動産販売シーズンはロックダウンで遅れる︖
シドニーのロックダウンは今年9 月まで続くとの見方もあり、オーストラリアの経済学者たちは、シドニーを含めた各地のロックダウンの実施や延長が、9 月以降のオーストラリア経済にも打撃を与え、経済成長率の低下につながると警告しています。
大都市シドニーのロックダウンの長期化はオーストラリア全体に大きな影響を与えるため、国内の不動産市場の指標にも影響を与えることは否めません。
昨年メルボルンで実施された長期ロックダウンのように、今回シドニーで実施中のロックダウンによってオーストラリア不動産市場の勢いは一時的に鈍るものの、その後再び回復するだろうと述べています。
夏のクリスマスや新年には、オーストラリアの不動産市場は活発さを取り戻し、NSW 州の不動産市場も通年よりはるかに賑わう見込みとのこと。
4.新型コロナウイルスの影響にも拘らず、住宅価格の上昇は継続中︖
オーストラリアの大手銀行、ウエストパックとNAB 銀行に所属するエコノミストは、上半期にオーストラリア国内の住宅価格が予想以上の上昇を見せたことを受け、2021 年の予測を上方修正した旨を今週発表しました。
ウェストパックのチーフエコノミストとシニアエコノミストによると、今年のオーストラリア国内の住宅価格は18%上昇し、シドニーの住宅価格だけ見れば22%上昇すると予想されています。
今年7 月もオーストラリアの住宅価格は堅調に上昇していますが、新型コロナウイルスの感染が拡大した州では緊急ロックダウンや長期にわたる州閉鎖が、その価格上昇の勢いをやや鈍らせているようです。
また、NAB 銀行のエコノミストによると、今年のオーストラリアの住宅価格は19%上昇すると予想され、毎月の上昇ペースは鈍化するものの、堅調に上昇推移すると予測。
住宅取得の指標であるアフォーダビリティの制約は厳しいことから、2022 年の価格予測を3.6%増に引き下げています。
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